カブス鈴木、未知のMLBで快進撃
メジャーリーグベースボール(MLB)、シカゴ・カブスの1年目、鈴木誠也が開幕から目を見張る快進撃を続けている。2021年の東京オリンピックでは4番打者として金メダル獲得に貢献したスラッガー。今季からポスティングシステムを利用して、日本プロ野球の広島カープから移籍した。5年契約、総額8500万ドルのMLB日本人野手最高額という大型契約で話題になったが、ここまでチームメートや日本のファンの期待を上回る活躍を見せている。
大谷翔平をしのぐ打撃成績
鈴木にとってMLBは太平洋を渡った未知の環境。英語が得意ではないという鈴木には言葉の壁がある。ロックアウトの影響でチームにアジャストする春季キャンプの期間も例年より短かった。しかも、相手チームの投手はほぼ初対戦。対応は難しいはずだ。スロースタートを予想したファンも多かったが、いい意味で彼は期待を裏切った。デビューから9試合連続安打の活躍。4月11~17日までの週は、打率4割1分2厘、ホームラン3本、5打点の成績をマークし、ナショナルリーグの週間最優秀選手、週間MVPに選ばれた。18日には今季4本目のホームランを放ち、本塁打数のランキング(4月22時点)でMLB全体の5位タイ。昨シーズンのMLB最優秀選手でここまで3本塁打の大谷翔平を上回っている。
「2番打者」で広がるチャンス
注目はカブスのデイビッド・ロス監督の信頼を勝ち得た鈴木誠也が4月20日のレイズ戦から「4番打者」として先発出場し始めたことだ。2番打者はエンゼルスのマイク・トラウトなど、強打者の定位置。鈴木誠也が2番打者に定着すれば、早め早めに打席が巡り、打席に立つ機会も増える。鈴木の後ろの3番、4番に他の好打者を配置することで四球を避けられる効果も期待できる。MLBの勝敗予想などを提供するスポーツベッティング大手のWilliam Hillには、「その試合で誰が最初にホームランを打つか」というユニークな予想ベットがあるのをご存じだろうか。試合によっては鈴木誠也に10倍以上の高オッズがついている。これは、ぜひ狙ってみたい。
もともと第1打席に強い
鈴木誠也はもともと第1打席にめっぽう強い。昨年2021年9月の広島カープ在籍時には、6試合で8本塁打を放った。王貞治(元巨人)とバース(元阪神)が持つ7試合連続の日本記録に迫ったが、そのうち5本塁打は第1打席でマークしたものだった。
積極性増せば新人王も
日本のプロ野球にいたころと比較して、初体験のMLBで鈴木誠也はまだ打球の見極めに慎重な姿勢が見て取れる。初球を見逃すことが多く、四球の数も突出して多い鈴木誠也はアメリカの報道では”Patient Hitter”(我慢強い打者)との評価だ。しかし、もともと狙いを定めずに打ちにいく”Free Swinger”の側面もある積極性が持ち味の強打者だ。MLBの投手との対戦が増えるにつれて、思い切りの良さを出していけばますます面白い。そうすれば、鈴木誠也はMLB新人王のタイトルに突き進んでいくだろう。
「流行に敏感な探検家。受賞歴のあるコーヒーマニア。アナリスト。問題解決者。トラブルメーカー。」
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