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県内鉄道の全線復旧と、知られざる「代行バス」エピソード

JR芸備線

平成30年7月豪雨災害から1年3ヶ月。 ようやく、この日がやってきました。 新しい鉄橋が完成し、この10月23日(水)にJR芸備線が全線で開通。 県内の鉄道全線が、ついに復旧しました。 当日の様子と、そしてJR芸備線の完全復旧に至るまでの期間はもちろんのこと、災害発生直後に私たちの移動交通手段を支えてくれた「代行バス」について、この機会に知られざるエピソードをご紹介したいと思います。

474日ぶりに日常の生活が帰ってきた

JR芸備線

記憶も新しい昨年の豪雨災害。 県内鉄道網においても、土砂の流入や線路敷の流失、橋梁の流出などにより、山陽本線、呉線、芸備線、可部線、福塩線のJR各線で甚大な被害が発生し、通勤や通学はもちろんのこと、私たちの日常生活に大きな影響があったことは言うまでもありません。

そして、災害発生から1年3か月、474日目を迎えた10月23日(水)。 この日、広報課職員もJR芸備線の白木山~狩留家駅間の三篠川に架かる鉄橋 (災害で流出した橋) 付近に取材に行きました。 朝早い時間でしたが、現地では、JR西日本の方や工事関係者の方が1番列車を迎えようと準備をされていました。 また地域の住民の方も集まっていらっしゃって、寒さも気にせず、列車が来るのを今か今かと待っていらっしゃる様子が印象的でした。 5時45分ごろ、ついに1番列車が現地を通過すると、周囲では一斉に歓声と拍手が起き、住民の方々は「日常に戻る」ことを噛み締めていらっしゃるようでした。

白木山駅で列車に乗り込む人

その後、白木山駅にも立ち寄ってみたのですが、通勤や通学のため「いつもと変わらない様子」で、列車に乗り込む人たちの姿を見ることができ、私も胸が熱くなりました。

運行セレモニーの様子

広島駅、向原駅、三次駅、備後庄原駅でも芸備線の団体貸切列車「〇〇のはなし」の運行セレモニーなど、沿線の住民の方々による歓迎ムード一色でした。

私たちを支えてくれた「代行バス」。運転手の方の想いは?

代行バスを担ってくれた京都バス

JR芸備線の三次~下深川駅間のように、県内の鉄道網が復旧に向けて着実に工事を進める中、各地で私たちの生活に欠かせない移動交通手段を担ってくれたのが代行バスでした。 災害発生直後は、被害を受けた鉄道路線が広域に及んでおり、代行バスを走らせるにしても県内のバスだけでは足りないことが明白でした。 そこで、県や関係機関が連携し、全国から「バスの応援」を受けることができるようになったのです。

全国から応援にかけつけてくれたバス豪雨災害から1年ほど経った頃、災害発生直後に全国から応援にかけつけてくれたバス会社の方々に話を伺う機会がありました。 当初は、災害発生直後の混乱もありましたし、運行・運営に必要な情報や環境も決して十分ではなく、手探りで活動をスタートされたそうです。 しかも、初めての町、初めての道、いつもとは違う環境の中で、安全かつ安定して乗客を目的地まで運ぶことは、不安や心配も大きかったのではないかと想像されます。 それでも「困っている人を助けたいという強い思いで広島に駆けつけた」と話してくださいました。

また、その際に代行バスの運転や管理に携わった方々が印象に残ったエピソードをいくつか教えてくださいました。 その時まで私も知らなかったのですが、皆さんは実はこんなことを感じ、考え、そして取り組んでいらっしゃったそうです。 (エピソードは、全てバス会社の方々がお話しくださったものです。)

JRを通して代行バスの派遣依頼があった時、安全性の確保に係る不安や派遣に慎重な声があったことも事実です。ただ、担当者が事前に試走したり、道路状況や整備工場等を入念に確認したりするなどして準備は整いました。そして、事故や運行間違いを絶対に起こさないよう運転士に呼びかけ、無事に業務を完了することができました。

湯崎知事が同行されて安倍首相が被災地に入られた時、ある女子高校生が「学校に行けない」と泣き出したことを知人から聞きました。京都から遠く離れた広島に長期間バスを派遣することに迷いがあったのですが、この話を聞き、今すぐ広島へ行かなければと考えが変わったのです。会社の貸切部門に「広島へバスを派遣する。この支障になるような貸切バスの仕事は一切受けるな。すぐに準備を始めろ」と指示をして、代行バス派遣の準備を急ぎました。

広島に入り、代行バスの運行を始めるに当たって「被災地で復旧活動に取り組んでいる方を汚れたバスに乗せるわけにはいかない」と思い、ガソリンスタンドを調べ「後から代金は支払うので、関西から来たバスが燃料を注ぎに来たら、全部洗車してほしい」と相談したところ、受けてくださる所があったんです。でも、そのガソリンスタンドのご担当の方は、後日の支払いの際に、燃料代は受け取られたのですが、洗車代だけは頑なに受け取られなかった。私たちの想いに共感してくださったのだと、うれしかったですね。

全国の代行バスの取りまとめを行っていた西日本ジェイアールバス社の担当者から、バスを利用する乗客の方々や広島の皆さまに「応援しています」というメッセージを伝えようと提案があったんです。そこで、代行バスを運行した全ての会社が協力し、「がんばろう広島」のステッカーを作成。このステッカーが貼られた代行バスが走ることになりました。

一刻も早く被災地の方々を少しでも早く目的地へお運びするため、運転士同士でも情報共有をしていました。例えば、広島呉道路の通行止め区間を代行バス専用路として走行する際、本線上でUターンする箇所があり、切り返しに時間を取られていたのですが、ある運転士がスムーズにUターンするコツをつかんで、仲間にその方法を伝えたりしていたんです。

代行バスに乗車された広島の皆さんは、必ず降車時に気持ちを込めて「ありがとう」「遠くからご苦労様」と言ってくださいました。こんな経験は初めてで、私もバス運転士として本当に良い勉強をさせてもらったと思っています。これは私だけでなく、代行バスの運転士の皆が言っているんですよ。

バス会社のお一人が仰ったのですが、「広島がますます大好きになりました。 次は観光で、また広島を訪れたいですね」という言葉がとても心に残りました。 JR芸備線の再開もそうですが、復旧復興に携わっている方々の熱い想いや優しさが感じられます。

お話を伺ったバス会社さんは、台風19号による被災地の支援のため、東日本エリアへの鉄道代行バス の派遣に取り掛かっているそうです。 今もどこかで多くの困った方々を助けるため走り続けている「バス」に感謝とエールを送りたいと思いました。

JR芸備線

さて、これから紅葉狩りの季節です。 皆さん、この機会に復活した芸備線を利用してお出かけしてみませんか。 芸備線は、地域住民の生活になくてはならない交通機関です。 復旧は関係者の多大な努力により成し遂げられました。 次のステップは、観光などでも多くの人が利用する活気ある芸備線へと復興していくことです。 広島の財産をみんなで支えていきましょう。

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